台風15号直撃への考察 2019年10月

9月9日の夜も明けきらぬ早朝のことだった。

自宅の2階寝室でぐっすり寝ていた僕は風の音で目を覚ました。

前日の日曜日から台風15号が関東直撃の予報が報じられる中、風が強くなってきた。

家内が「夕食のお買い物にはまだ早い時間だけど(そのとき午後2時)、スーパーで夕食の食材を買って来てくれないかしら」と頼まれた僕は二つ返事で買い出しにでかけた。

スーパーまでは歩いて5分の距離、家を出て空を見上げると雲が猛スピードで流れている。

そして生暖かい風だ。

台風15号の風だな、雨はまだ降りそうにないな。などと思いながらスーパーへ着くと、予想以上に混んでいた。

それに僕のようにご主人とおぼしき人が多い。

僕と同じように奥様方に頼まれて買い出しに来ているのかな、ニヤリとしながらテキパキとはいかなかったが、家内が記した買い物リストを見ながら買い出しを済ませて帰宅。

その夜は、TVの台風情報を見ながらいつもより早めの夕食を摂った。

「こっち(千葉)へ来るかしら?」家内が不安げに口を開いた。

昨年も千葉は台風の影響を受け、強い風が吹き、そのとき道を挟んだ隣宅の屋根の一部が

我が家の屋根に飛んできて、屋根の一部が破損したこともあって、家内の心配は当然だ。

そのとき、業者に屋根を点検してもらったら、強い雨や風が吹くと雨漏れや屋根材がめくれることも考えられるという指摘があり、思い切つて屋根全体の補修と強化、そして外壁全体の塗装を行った。

そのこともあってそれなりの安心材料はあったが、今年になっていわゆる「想定外」の災害が多発しているので油断はできない。

「あなた、明日は(月曜日)は会社に行くの?」と家内が問いかけてきたので「鉄道も心配なので明日は出社せず、我が家のパソコンで仕事をすることにした」

「それが一番よね、無理して出社するのは考えものだもの」

同感である。

 

さて、話を戻す。

眼が覚めると猛烈な風が吹きまくっていた。

風がピューと笛を吹くような音を立てている。

スマホが盛んに警報を知らせる。

TVを点けたら、台風15号が千葉に上陸と報じている。

これは大ごとになるかも!?と不安が頭をよぎった。

風の音が変わった!

ゴォーと唸るような風になった。

窓越しに外を見ると街灯の明かりを通して、隣近所の屋根に猛烈な雨が叩きつける様子が垣間見える。

時計は午前4時半を回っている。

僕は身軽に動けるようにジーンズに着替え、ウィンドブレーカーを引っ張り出して万が一の場合、身軽に安全に動ける支度をした。

家内に声をかける間もなく、彼女も身支度を整えた。

猛烈な風は時折り、我が家を揺らすようになってきた。

二人で1階のリビングに移動してTVを見た。

詳しい状況はわからないが千葉で風速56メートルを観測したとテロップが流れる。

これは尋常じゃないぞ、被害がでるな、と思いながら、玄関わきの納戸からヘルメット、軍手を取り出した。

2年前に自治会の役員を務めたとき、年間活動テーマを「防災強化」として、防災倉庫の充実、防災訓練、各家庭に「万が一のときの行動10箇条」掲示板の配布などを実施したこともあり、「今、やるべきこと」が頭に入っていたため、落ち着いて準備することができた。

風はますます強まり、ガチャーン、バーンと何かが落ちる音、我が家の外壁に連続してバタバタと当たる音が聞こえてきた。

外はまだ暗いので状況は見えない。

我が家の前は公園でそこに設置されている防災無線から

「ただ今、台風通過中です。猛烈な雨、風です。危険ですから絶対に外へ出ないでください」というアナウンスが聞こえてきた。

猛烈な風が1時間以上続いたが午前6時前になるとピタッと風が止んだ。

TVでは台風が太平洋に出たと報じている。

どうやら峠は越えたようだ。

外も明るくなってきたので、用心しながら外へ出た。

ちなみに我が家は四つ角に面していて、南側は公園、西側には隣宅、道を挟んで東側の隣宅、北側にも隣宅になっている。

公園の立木が2、3本、折れ曲がっていて、鉄棒に寄りかかっていた。

道路は木切れ、木の葉、そしてどこかのお宅の屋根材があちらこちらに転がっていた。

我が家は?と仰ぎ見るとどうやら無事の様だ。

補強工事をやって良かったなぁ、と思った。

隣のご主人が外へ出てきた。

「いゃー、怖かったですね。幸い我が家は大丈夫でしたが、裏のお宅の屋根の一部がやられたようで、我が家の庭に飛んできています。」

ひとり、ふたりと近所の方たちが外へ出てきた。

皆、同じように「怖かったね」「停電にならなくて良かった」「どこか被害のお宅はないの?」

結局、我が家の周囲では2軒のお宅が屋根の損壊だった。

今年の自治会長も顔を見せて「これから各ブロック毎に役員さん達で被害の確認をいたします。」

その時点では、後に報じられるような大災害になっているとは思いもしなかった。

我が家に戻り、ひと息いれると家内が暖かい紅茶を差し出して、「備えあれば憂いなし、って真理だわ」

「ほんとうにそうだね、自治会役員のときの防災への意識、と準備があったのと、屋根の補強をしていて、ほんとうに良かった」

 

「地震、洪水、防風、停電、」当たり前の生活が突然無くなる時代だということを体感した今回の台風15号だった。

今回の台風15号への対応を論ずるものではないが、災害時でもっとも大切なことは

「情報」だと、再確認した。

猛烈な風が吹きまくる最中、防災無線のスピーカーから流れる近隣情報は、危険喚起と共に安心を与える力があった。

そして常日頃「備えあれば(意識と防災用品、訓練)憂いなし」であらねばならない。

 

  

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